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御駄物な話

伝統的な技法を駆使して天上天下唯我独特なデザインを生み出す駄な物づくり哲学

カテゴリー "読書" の記事

鈴木正三最高!

少し時間が作れたので購入しておいた書籍を読みました。
前から気になっていた戦国時代の僧侶「鈴木正三(しょうざん)」さんの本を読みました。
この人こそ、武士道のルーツです。
あの有名な「葉隠」も絶対にこの人の「武士日用」に影響されているはずです。


豊田市足助町出身の戦国武将で2代将軍秀忠の家臣だったのだが、40代で出家。
天草四郎をリーダーとする島原の乱の平定の為に島原へ行き、キリシタン思想と正面から戦った僧侶が鈴木正三です。
戦国時代を生きたから平和を愛した人物です。


鈴木正三さんから今の政治家は学ぶ事が多いと思います。
歴史の上の人物で一番尊敬できる方の一人だと思います。


彼の生きた時代に士農工商という身分制度が作られます。
サムライを抜きに考えると農民や工(職人)などの物作りは商人よりも地位が上です。
現代のグローバル化や経済至上主義で物作りの商人よりも地位が低くなっている。
利益を追いかけると安い海外で生産すれば良いという考えかたになってしまう。
ルール無用の商売が通用すると文化はたやすく消えていくんでしょうね。
日本独特の文化を守った「鎖国」という制度があったおかげ今の日本のアイデンティティは守らたのかもしれないです。


しかし、この時代の農工に携わる人間には海外との勝負はさけられません。
そんな時こそ鈴木正三の考えが生きる時代かもしれません。
「新しい酒には新しい革袋に盛る」
物理的な壁・制度の壁・意識の壁をブレークスルーして新しい時代の到来を迎え入れるしかないです。
鎖国ができない今、伝統が求めるのは今の時代にあった入るべき革袋です。
それは物を生産するだけではなく、システムやPRの部分も含めた新しい革袋です。
それは案外、農工系の物づくりの人達を中心にすえた社会なのかもしれません。


ぜひ三河出身の天才僧侶「鈴木正三」さんに興味を持ってみてください。
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「愛国消費」を読むと日本の未来像が見える

最近読んだ本の紹介です。
三浦展さんの「愛国消費」は勉強になりました。
【送料無料】愛国消費

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価格:1,260円(税込、送料別)


衝動買いを誘うようなパッケージとネーミング……すばらしい。
その誘惑に負けたのが僕です。


負けて正解でした。


日本の若者いや全世代に急激に広がる「日本好き」をテーマに書かれたマーケティングの本です。


昔の愛国という言葉は政治のプロパガンダ的な意味合いの方が強く、危険なイメージがついています。
外国の脅威から身を守るために「強い日本」へなろうとしていた時代は終焉を迎えています。
尖閣諸島などの領土問題で関係する外国の若者の熱血な愛国精神を我々日本人は冷ややかな目で見てしまいます。
テレビでコメントする大人だけが必死に熱弁をふるっているの現状でしょうね。
若者に愛国精神が無くなったのが原因ではありません。
逆に愛国精神が深くなっています。
なぜ諸外国と違って熱くならないかというと若者が抱く理想的な日本のイメージが「強さや暴力」ではないからです。
日本人は弱いのではありません。
丁寧で親切で礼儀正しい人が多いのです。
「経済的に豊かな強い国」から「礼儀正しい美しい国」へ日本人の理想像がシフトしてきているからです。
日本人が日本の文化を愛する時代になったのです。


現在日本人の中にもパラダイムシフト(価値観の変化)が大きくおきつつあります。
経済もサービスもその変化に振り回されて方向性が見出せずにいます。


我々の多くが探しているのは「日本人らしさ」です。
他の海外製品が日本中に氾濫してしまい、物を購入するだけでは豊かさを手に入れる事ができなくなっています。
自分を含めてですが、普通の消費では満足できないのです。
自分がこだわっている事への消費こそが満足できる消費になってきました。


今まで高級品だった物がコモディティ化(市販品)しています。
車は乗れればよい、テレビは見れればよいという最低限の機能で十分という時代になっています。
最新技術がふんだんの携帯電話をどれだけの人が使いこなせているのでしょうか?
これ以上の進化は人々にとって負担にしかならなくなってきている可能性があります。


日本の文化を愛する日本人が増えるという事は僕のやっている事へ大きな後押しとなります。
日本文化こそが日本人の誇りとなる時代の到来です。
日本文化や伝統技術をどうにかビジネスと結びつける事さえできれば、より多くの日本人が日本を愛する事になるでしょう。
僕が目指すのはそこです。


今後の日本の進むべき道のヒントが盛りだくさんの一冊です。
書店でぜひ購入してみてください。
伝統関係の人にはぜひ!
勇気をもらえる一冊です。

しあわせな仕事の見つけ方、つくり方

昨日のブログ「楽しい事と楽な事の違い」の続きです。



「あとつぎ会議」にてご一緒した「もののふ」の田中さんが幸せな仕事を見つけた一人として紹介されている本を読ませていただきました。
脱サラして「戦国好き」というのが理由でブランドを立ち上げた時期の事が面白く紹介されています。





この本で紹介されている方々の多くは不思議な「ご縁」で幸せな仕事にたどり着いているような気がします。
岐路に立たされた時に楽な道を選択しなかった結果、楽しい仕事と出会えたように思えます。


この本の著者は墨田区にある日本最古のTシャツメーカー久米繊維工業の久米信行社長です。
こちらの会社のプレスルームにて個展をさせていたいた時にご一緒させていただきました。
とても紳士的で素敵な社長です。
http://kume.keikai.topblog.jp/(久米社長のブログです)
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こちらの会社の素晴らしさは全ての社員さんが輝いている事です。
僕がふらっと立ち寄っても笑顔で迎えて下さいます。
(心では面倒な奴が来たと思っているかもしれませんが……)
皆さん「好きな事」を仕事になさっているんだなぁって会社に一歩足を踏み込んだだけで分かります。
こんな会社で働ければ楽しい仕事ができるんだろうなぁって思います。
そんな会社の社長が書いた本ですので説得力があります。


この本で紹介されている方々の生き方は絶対に「あとつぎ」や起業を考えている人には役立つと思います。
まずはこの本を読んでみましょう!

【おススメ本】新釈 走れメロス

最近定番になってきた感もある読書ブログ。
あいかわらずいろいろなジャンルの本に手を出しています。
レコードのように本のジャケ買いやタイトル買いをしてしまう事もあるのでハズレる場合もあります。
本と出合うのも一期一会。
気になってしまったら仕方ないです。


今回の購入した本(新釈「走れメロス」他4篇(祥伝社文庫)森見登美彦著)はアタリでした。
僕的には大好きなジャンルの本です。
新釈走れメロス

新釈走れメロス

価格:590円(税込、送料別)



この本は過去に書かれた日本の名作短編文学を現代風にした物です。
ストーリーは馬鹿馬鹿しいが文学とはこうあるべきなのだろうと気づかせてくれる一冊です。
僕が気に入っているのは何よりも文章が「美しい」ことです。
過去の名作のストーリーは変えてしまっていますが、そこにある芸術的な表現などを壊さない作者の配慮が見え隠れします。


馬鹿馬鹿しい事を馬鹿になるくらい掘り下げると美しさが輝きだすのかもしれません。
今から本屋に走って、日曜日の午後を温かい陽だまりの下で読書するには最適の一冊です。
昼からビールでも飲みながらね。
あ~文学的。


しかし、僕は今から仏壇の組立が待っています。
仕事仕事っと。

石亀の地団太

読書していたら素敵なことわざに出会いました。


鳥にあこがれる一匹の亀。
自分も空を飛びたいと思い、ジャンプするけども少しも飛べない。
亀は自分の背に甲羅ではなく翼がない事に地団太をふむ。


しかし、そんなある冬の日。
狼の群れがその亀や鳥が住んでいる湖を襲いました。
逃げ遅れた鳥は狼の餌になり、飛べない亀も狼の鋭い牙の餌食になりました。
しかし、亀には硬い甲羅がついています。
狼があの手この手で甲羅を割ろうとしても無駄でした。
狼が地団太をふんで悔しがったそうです。


その亀は鳥にあこがれていた事を恥ずかしく思いました。
自分には親からもらった武器がちゃんとあった事に気がついたのです。
ない物にあこがれるのは愚かな事であると気がついたのです。



自分にない物に憧れるのは理解できます。
亀が鳥になれないのは誰でもわかる事です。
華やかに思える空の世界も危険が一杯です。
逆に目立つので狙われやすい。
亀のように防御できる武器を持っている方が良い事もあります。


人生において自分自身の優位点を見出すのってとても大切だと思います。


僕がこのストーリーに話を追加していいのならば、こうします。


亀は防御する甲羅を進化させて硬くて鋭いトゲを何本も背中に作り出しました。
狼の群れさえも寄せ付けない力を身につけました。


たぶん、ここまでのストーリーを作り上げてこその成功だと思います。