御駄物な話

伝統的な技法を駆使して天上天下唯我独特なデザインを生み出す駄な物づくり哲学

2015年02月の記事

究極の自分磨きのグッズ「心を磨くセット」

 僕の考案した物の中で「伝統技術の無駄遣いシリーズ」というのがあります。
何年も修行して手に入れた伝統技法を超くだらない物づくりに応用してしまうという暴挙を実現させた商品群です。
その中の一つに「心を磨くセット」というのがあります。
商品を簡単に説明すると、木彫りで作った荒削りの心という文字をサンドペーパーで綺麗に磨くという駄洒落商品です。
この商品の何が凄いかというと国から認定を受けた伝統工芸士の資格を持つ彫刻師に半完成品を作らせているということです。
職人に綺麗な心を作らせない。
購入したお客さんが自分の手で心が綺麗にしていだくワークショップ的な商品です。

 工芸を作る物は完璧を目指します。
デザインを崩しても完璧な崩れた物を目指します。
中途半端な事を一番嫌うのが工芸士さん達です。
「駄」なデザインを目指す僕にはその気質がちょっと邪魔だったりします。
この商品で僕が求めたのは形を崩すのではなく、途中で作るのをやめてもらうというスタイルで「駄」なデザインを作るという事です。
僕と長い付き合いの職人はちゃんと理解してくれます。
職人は職人から見る目を気にします。他の職人より良い物を作りたい。
他の職人から一目置かれたいと思うのが当たり前。
面白いねって言ってもらう為に職人になったわけじゃない。
この完璧に作らないというスタイルは実はちょっと勇気がいる事だったりします。

 この商品を作るきっかけがあります。
それはとある雑誌でみかけた江戸時代の根付です。
根付って言うのは昔のストラップみたいな物です。
根付のデザインって滑稽な物が多いんです。
僕が面白いなぁって思ったのが職人が何かを磨いている根付けです。
正面から見ると床に置いた物を磨いているだけの姿なのですが、ひっくり返すと心という文字を磨いている姿になっています。
職人が仕事をする作業は実は自らの心も綺麗にします。
特に掃除なんて部屋と共に自分の心も掃除できたりします。
そんな姿を面白く表現しているのにグッときちゃったんです。
物づくりのインスピレーションって、どこで反応するかわからないです。
物を作る人間は物を沢山見なければいけないと思っています。
一生勉強。
新しい物も古き物もすべてが物作りのアイデアを与えてくれる先生です。
そうやって物づくりの心は磨かれていくのだと思います。

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