御駄物な話

伝統的な技法を駆使して天上天下唯我独特なデザインを生み出す駄な物づくり哲学

2015年12月の記事

一年間ありがとうございました。

2015年も残りが数時間。
今年の年末は仏壇屋の仕事が少なかったので気合の入った掃除ができた。
綺麗な空間は心も綺麗にしてくれるような気がする。

僕なりに今年を振り返る。
新しい壁と向き合う一年だった気がする。
アートマンの立ち上げの時のような、悩み苦しみ、その中から希望を見つけだした一年でした。

今年の仙台三越での初売りで漆塗りのウルトラマンが想像を超える注目度を浴びたことで、
漆の新しい可能性を感じれた。
それに続く漆塗りのマジンガーZも数十万という高額商品にも関わらず海外を中心に売れた。
当然ながら、携わっていただいた方々のお力が強いのですが、暗かった伝統の未来が少し輝きだした気がした。
何より、漆塗りの伊藤くんの技術が多くの人に認められたことが嬉しかった。

もう一つ新技法の漆器も徐々に注目度を高めてきた。
武藤さんと一緒に試行錯誤しながら数年間やってきたことが徐々に花開こうとしてしている。
新しいことは理解してもらうまで時間がかかってしまうのだけども、何とか来年は大きく飛躍させたいと思っている。

個人としては名古屋芸術大学で非常勤講師をやることになり、教えることのむずかしさを感じた。
今までのトークだけでは通用しないんだと反省、トーク力はもっと磨いていきたいし、伝えるワザを工夫していきたい。

デザインは自分の中で少し自信を持てるようになった。
特に廃棄仏像と流木や廃棄仏壇パーツを組み合わせて作る「ロスト」シリーズは作品数が80を超えてきた。
そろそろ発表してもいいかなと思えるようなスタイルを確立できそうだ。

振り返れば面白く、苦しい一年でした。
来年こそ「新しいジャパンを作る!」一年にしたいと思っています。

それでは一年間ありがとうございました。
引き続き、よろしくお願いします。
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「ポップカルチャー仏壇」

 最近、にわかに僕が作った過去の作品が注目されて久しぶりに取材をちゃんと受けた。
その主役がロボットのような形の仏壇です。
数年前に週刊ポストにこの仏壇が掲載された時に記者さんがポップカルチャー仏壇として紹介。
それ以来、その名前が定着してしまったのが、このロボット型仏壇です。

 この仏壇は古い仏像の構造をモチーフにしている。
そもそも、古い仏像には胎内に小さな仏像(胎内仏)や経文を納めるスタイルが多い。
そんなわけでお腹の部分に仏像を安置できる構造になっている。
まるで巨大ロボットのコックピットみたいです。
ロボットも操縦者がいなければオブジェにしかならない。
仏像や仏壇だって同じです。
その中に入れる物の方が大切になってきます。
ちょっと余談ですが、東日本大震災の揺れでとあるお寺の秘仏が壊れてしまい、僕の所に修復依頼がきました。
この仏像にも胎内仏や経文が入っていた形跡があったんですが、時代の流れの中で紛失してしまったようです。
修復した記念に住職の許可を得て、小さな仏像を僕が彫って秘仏の胎内に収めさせてもらっています。
それと同時に震災からの復興を願う人の名前を記帳した巻物を台座に奉納してあります。
それぞれの思いを込める。
それがロボット型仏壇のコンセプトでもありました。

 なぜ、仏壇とポップカルチャーを融合させるのか?って思いますよね。
実は製作にあたって常に意識している戦略があります。
仏壇の技術を他産業へ転用したいってことです。
当然ですが、このロボット型の仏壇は玩具産業を意識して作っています。
実は8年くらい前に作ったこの製品が人をつなげていってくれて、「ウルトラ木魚」や「漆塗りのウルトラマン」などに展開していっているのです。
デザインモチーフにかなり影響を受けたベア@ブリックを作っているメディコムトイさんと現在一緒に仕事をしているようになるなんて当初は考えられなかった事です。
きっと製作当初は僕の道楽だと殆どの人は思っていたはずです。
道を切り開くのに大切な事は自分の感性を信じる事だと思います。
誰も歩んでない道を進む時は多くの人は反対するし、もちろん多くの失敗もする。
でも何があっても自分の責任って覚悟があるから進めるよね。
逆に覚悟のない人は進んじゃダメだ。

 8年くらい前にやってきた事が今頃注目されるって事は、やっぱり何をやるにも10年辛抱しなきゃいけないなって思う、今日この頃です。
そして、いつかロボット型仏壇が自力で歩いてきて強制的に拝ませる機能を取り付けたいと思う、今日この頃です。
ロボット仏壇
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