御駄物な話

伝統的な技法を駆使して天上天下唯我独特なデザインを生み出す駄な物づくり哲学

仏壇デザイナーへの道2

想像できない事を他者に想像させる事ってのは結構大変です。

特にその頃の僕は職人仕事は全くやっていなかった。
今では考えられないけど、確実にインテリ風な男でした。

たぶん、職人さんが嫌うタイプ。
「かっこつけ」的に見えていたんじゃないかな?
親がやっている仏壇屋の跡を継いだ「おぼっちゃま」。
正直、なめられていたと思います。


そんな僕が職人さんに仕事をやらさずにおかない秘策を考えた。
それは試作品を自分が作ってしまう事。
平面図面ではなく、立体図面を持って行くことにした。


ホームセンターで木材を購入。
仕事場に殆ど使用しないような状態だった道具を引っ張り出した。
カンナやノミの刃を見よう見真似で研いだりしました。


正直何回か失敗しながらも形だけは見られる物に仕上がりました。
もちろん、職人さんのレベルには程遠かったですけどね。


出来上がった立体図面と平面図面、さらにイメージ画。
これだけ持っていけば多少なりとも僕の情熱だけは伝わったようです。
その後は結構スムーズに出来上がりました。


「夏の火鉢、旱(ひでり)の傘」
僕の尊敬する戦国武将の「黒田官兵衛」の言葉です。
人心掌握するには、夏に火鉢を抱えるような、雨の降らない日照りの日に傘をさすような、無駄とも思えるほどの事が必要であるという意味です。


適当、お任せ、作業を円滑に進める為に長年作られた「仏壇製造」における慣例を壊すのは案外と大変でした。
職人さんって公務員に良く似ていた。
冒険をしない。
失敗を恐れる。


それを理解してあげる。
全責任を自分がとると決める。
僕が初めて「供養をする為に使わない仏壇」を製造した時に心に決めた事です。


この時から僕の仏壇デザイナーとしての自覚が備わったと思います。


そしてこの仏壇は全国の仏壇のコンクールで金賞を受賞しました。070806_1728~0002.jpg

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