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御駄物な話

伝統的な技法を駆使して天上天下唯我独特なデザインを生み出す駄な物づくり哲学

いろいろと仏壇の制作依頼がありまして

フリースタイルな仏壇を作れるのには自信がありました。
やっと他も認めてもらえるようになったのかもしれません。


現在流通している仏壇ではどうも嫌だというお客さんが僕の所へ来ていただけるようになりました。
元来、仏壇とは一本物の手作り品であるのが当たり前でした。
つまらない経済発展で仏壇も大量生産される時代になり、個性のない仏壇ばかりがあふれる事になりました。
形式だけはしっかりと守られるけど、それでよいのか?
仏壇こそ人それぞれの想いを形にすべきだと思っております。
故人の事を思えば、仏壇をこだわるのは当たり前です。
そして使う人の自分らしさも。


1年前くらいから相談を受けていた創作仏壇をお盆前に納めてきました。
お客さんが持ってきてくださった仏壇を飾る部屋の写真に素敵な李朝家具が写っていたので、李朝家具を仏壇にする事を提案しました。
お客さんが気に入った李朝家具を購入してくださり、そこの内部に仏像と位牌を飾れるスペースを作って納めさせていただきました。
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昨日は知人から古いお仏壇を小さくして欲しいと依頼されました。
100年近く拝んできたお仏壇ですので、捨ててしまっては申し訳ない。
しかし、家に置くには大きすぎる。
使える部分を残して小型にしてもらえるかという相談でした。
小さくするなんてやったことないのですが、仏壇を大切にしたいという心意気が見え隠れして、即答で引き受けてきました。


被災地のお位牌修復ボランティアをやるようになってから、以前にまして仏壇の大切さを感じるようになりました。
何のために、誰のために仏壇はあるのだろう?
僕には明確な答えが見つかりました。
そして自分のやってきたことが間違っていない事も。


僕は仏壇を作る仕事が好きです。
仏壇が持つエンドレス的な奥行のある世界。
本当に美しいと思います。


30代は自分の作りたい物をアートとして表現してきました。
10月には40代に突入します。
40代はお客さんが表現してほしい物を作っていきたいと思います。
そんな事を小さく小さくやっていきたいと思っています。
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