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御駄物な話

伝統的な技法を駆使して天上天下唯我独特なデザインを生み出す駄な物づくり哲学

大正時代の立派なお仏壇を1/2サイズにしてみました。

10年来のお付き合いのあるデザイナーさんからの依頼で100㎝弱のお仏壇を50cm弱にしてほしいというミッションをいただきました。
初めての試みなのでとても楽しく製作する事ができました。
当初は木地を扱う専門職人に依頼しようと思っていましたが、どう指示するべきかを決めかねていたので、不安もあったのですが自分で製作する事にしました。
時間はかかるかもしれませんが、イメージに合う形に仕上げるには自分でやるが一番です。


ただし、工具があまり揃っていないので卓上のノコギリだけ購入することにしました。
工具は傾斜盤とボール盤、糸鋸だけ、残りは全て昔ながらの道具ばかりです。


どのお仏壇というとこんなのです。
改造前
ざっくり半分にするというのは赤い部分をカットする感じです。
カット部分



仏壇を分解して各パーツごとにカットしていきます。
この作業は一気にやる勇気と計算と勘が必要になってきます。
確認しながらサイズを縮めていきます。
カットしては組上げて、微調整してはまたバラしての繰り返し。
そんなこんなを試行錯誤しながら4日間ほどかけて改良しました。
幅を45㎝、奥行きを25㎝、高さを15㎝小さくしました。


改造後正面改造後正面障子


彫刻も大幅にカットしました。
改造後彫刻

下の部分は真ん中の引き出しのみを活用しました。
多少なりとも収納は欲しいですからね。
なるべく元々ある部材を活用して欲しいとの事で丸い柱も強引に組み込んで残す事にしました。
改造後下部分


近々、依頼者に見てもらってオッケーいただければ塗りの工程に入ろうと思います。


大きな仏壇は現在のライフスタイルに合わないのは仕方がない事です。
祖先が大切に守ってきたお仏壇を捨てて買い換えるのは忍びないって思いは誰にでもあると思います。
こうやって小さくしてでも家族の歴史が紡いでいく。
そのお手伝いをする為に職人はいるのかもしれません。
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