御駄物な話

伝統的な技法を駆使して天上天下唯我独特なデザインを生み出す駄な物づくり哲学

3.12福島にて

震災発生翌日には南相馬に行きました。
3月12日は東京電力福島第一原発で爆発があり、この日以来放射能問題で住民に苦悩が始まった日です。


チェックアウトの時にホテルのご主人と野馬追の話で盛り上がりました。
去年とは違って、今年の野馬追は例年通りに実施されるようです。
ただし立ち入り禁止区域にある神社からは参加はできないと言っていました。
ホテルにあった野馬追で使う鎧兜にちょっと感動。
今年はこの鎧を着て、ホテルのオーナーの雄姿が見れると思います。
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南相馬に来たのには理由が二つ。
一つは位牌修復ボランティアの活動です。
南相馬市の隣り町の相馬市が期間限定で拾得物の展示をしていると前回の訪問の時に聞いたので、その視察をかねて会場に「無料で位牌を直します」というチラシ貼らしてもらいに行きました。
また南相馬市は継続的に展示している会場があるのでソチラに再度挨拶に行ってきました。
写真や思い出の品の展示はどの町でもぐっときます。
手元に写真がなかったのでちょっとアップできないのが残念です。


もう一つは動物供養用のオブジェの引き渡しです。
先月に南相馬を訪れた時に立ち入り禁止区域内で牧場をやっている方にいろいろと現状を聞く機会がありました。
そこで亡くなった動物のために供養するものを作って欲しいとの話になりました。
以前エゾシカの頭蓋骨に漆を塗ってオブジェにした事がありまして、そこから生まれた発想です。
エゾシカの漆塗りについて詳しくはコチラで
http://moonmmoon.blog115.fc2.com/blog-entry-344.html#trackback


1か月かけてオブジェを作りました。
まずは熱湯で洗わせていただきました。
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汚れなどを落としてから、どのようなオブジェを作るか考えて、牛のスカルと流木を組み合わせることにしました。
流木は三河湾で拾ってきたものを活用しました。
今回の牛のスカルは黒ではなくて着色してない漆にしました。
その方がリアル感がでながら美しさも表現できるという判断です。
そして出来上がったのがこちらです。
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荘厳なイメージを作り出すために少しだけ金箔で装飾しました。
もともと、この牛が持っているストーリーの方がインパクトあるのであまり加飾しないように心がけました。


このオブジェを牧場主さんにお渡ししました。
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僕ができるのは供養の手伝いをすること。
それは人それぞれ思いがちがい、形が変わる。
怒りを表現したければそれを表現するお手伝いをする。


巨大地震で何かと戦わなければいけない立場になってしまった。
あの日が来なければ、のどかな場所で牛に餌をやってすごす一生だったにちがいない。
お話を聞いて数日たってもまだ綺麗に落とし込めない自分がいる。
それくらいインパクトがある1日でした。
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野ざらしが自然の営みだと考えるか、それともかわいそうだと考えるかは個々の判断にまかせます。
僕は僕がやれることをしていきたいと思います。


その後南相馬で放射能の除染を個人的に実施している方とお話しする機会がありました。
その方いわく、今起きている福島の事を人類の問題であるというとらえ方をしなければいけないと話していました。
スケール感としては確かにそのとおりです。
戦国武将の相馬一族は弱小ながら大国の武将と堂々と渡り歩いた豪の者が住む土地。
そのDNAを引き継いだ方々が住んでいます。
誇り高き相馬の地が震災とその後の原発問題で汚されてしまっています。
けっして福島の問題として終わらせていけないと思います。
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