御駄物な話

伝統的な技法を駆使して天上天下唯我独特なデザインを生み出す駄な物づくり哲学

僕の美意識

最近、いろいろな事に手を出していて都築がブレブレだと思われているかもしれない。
ウルトラ木魚に新技術の漆器開発。
伝統仏壇を捨ててしまった訳ではない。
全ては仏壇の延長上である。

ちょっと自分の美意識について書いてみようと思う。

少し唐突だけども、物の使い勝手の事を「渡り」デザインを「景」と昔の人は言った。
千利休は「渡り6分、景4分」といい、デザインよりも使い勝手の良さを大切にした。
現在にも残る「用の美」という言葉は利休の求めた美に行きつくと思う。

それとは逆に「渡り4分、景6分」という美意識を世に広めた人物がマンガ「へうげもの」で有名な古田織部です。
使い勝手よりもデザインを大事にした人物である。
僕は利休よりも古田織部の方が好きである。
戦国武将であるのに新進気鋭のデザイナーでもあった。

アートマンとして作ってきた物は「渡り3分、景7分」くらいの物だった。
その景は自分の独りよがりのデザインでしかなかった。
でも僕はそれで良かった。
何もない所に道を作るのには、自分に自信がなければ進めない。
しかし、今思えば恥ずかしいデザインばかりではあるが……。

僕が今求めているのは「渡り4分、景6分」
漆では難しかったことを特許を申請中の新技術を使って表現する。
ざっくり言うとシャープさだ。
漆はどうしても「ぼて」っとした感じになる。
それがどうもカッコよくない。
漆が持つ滑らかな表情が僕は昔から好きじゃない。

知っている人は少ないと思うが、僕は24歳から数年間漆塗りの修業をしていた。
親方の所で基礎だけはしっかりと教えてもらった。
とある事情で仏壇屋に呼び戻されたのだが、そのままだったら漆塗り職人になっていた可能性は高い。

漆は綺麗だ。
日本人ならば誰だって思うことだと思う。
しかしながら、百貨店の漆器売場や一部のギャラリーなんかに行かなければ漆の製品なんて見ることができない。
世の中にあるのはウレタンなどを使った漆風の物ばかりだ。
代用漆を塗ってある物を漆だと勘違いして販売している所だってある。
日本人が誰でも綺麗だと思う「漆」を触れる場所がない。

もったいない。

僕の美意識と話がずれたけども、漆の美しさを普通に見せるのではなく、より美し見えるデザインを今考えている。
新工法が新デザインを産みだすと思っている。
「渡り4分、景6分」の面白い漆器が近いうちに発表できるはずです。
ジャパン100企画
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