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御駄物な話

伝統的な技法を駆使して天上天下唯我独特なデザインを生み出す駄な物づくり哲学

ウルトラマンと仏様

もう10年以上前に自分で彫刻した仏像がある。
モチーフはウルトラマンです。
遠い世界から人類を救いに来る光の戦士というイメージはどう考えても仏さまと一緒だなぁって感じておりました。
そして調べてみるとなんとウルトラマンは国宝でもある広隆寺の弥勒菩薩をモデルにしているとわかりました。
ちなみに弥勒菩薩は釈迦入滅後56億年74万年後に人類を救ってくれる未来に現れる仏様です。
お釈迦様がお亡くなりになり約2000年ですが、ウルトラマンは少し早めに現れた仏様なわけなんですね。

という訳でウルトラマン好きってのは信仰にちかい部分がある。
ウルトラ木魚を作って分かった事があります。ウルトラマンの顔って神々しいんですよ。
悟りを開いた感が半端ない顔している。
大きな目とシルバーの肌、そしてとんがり頭のようなデザインは、アメリカ映画で出てくる宇宙人っぽい顔をしているが、まったく怖さがない。

実は仏像は下から見上げると優しい表情になるようにデザインされている。
それは座って拝むのが当たり前だからだ。
絵画を見るように仏像と目線が一緒になっていては、仏像の本質の部分を感じる事ができない。
ウルトラマンもそうなのだ。見上げてみると優しいお顔をしている。
一見、表情がない仮面のような顔でも角度を変えることで怖かったり優しかったりする。その姿こそ仏像チックであると思う。

ウルトラマンのモデルとなった弥勒菩薩は半跏思惟像と呼ばれている。
ロダンの考える人のように足を組んで物思いにふけっている。
人類を救うことと怪獣退治をすることを悩みながら地球の平和を守る姿までも表現しているかのようだ。
日本のヒーローには、長年日本人の精神的影響を与えてきた事柄が多々入り込んでいる。
当時の大人達がヒーローを通じて子供たちに何を伝えたかったのかを読み解く作業をしてみると面白いと思う。
そして、我々大人が次の世代の子供たちに何を伝えたいのかは、今のヒーローを見ればわかるのかもしれない。

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