御駄物な話

伝統的な技法を駆使して天上天下唯我独特なデザインを生み出す駄な物づくり哲学

「人が入れる仏壇・カンタカ」

 15年近く前に製作を開始して、いまだ未完の作品が「カンタカ」です通称「人が中に入れる仏壇」、これを作ってから僕の人生が一変してしまった御駄物代表です。

g-kantaka.jpg

 実はカンタカは仏壇の新商品として生まれています。
アートとか芸術、工芸作品を作るつもりは全くなかった。
売る事を目的にして製作が開始しています。

このカンタカは仏壇にとって画期的な事を提案しています。
仏壇として巨大ですが、中に入ることで設置する空間を極端に小さくできるのです。
通常、仏壇は仏間に置かれます。
仏間の空間は仏壇の何倍もの広さを必要とします。
このカンタカは祈る人が中に入るので、そのスペースだけ確保すればいい。
祈りの空間から考えれば革新的に小さくできています。
イメージとしてはトイレとかお風呂みたいにユニット化された仏間を仏壇の技術を使って作ったと考えてもらえれば良いと思います。

 ちなみにここまでデザインもコンセプトも変えてしまうと仏壇職人が作れないと言いはじめます。
なので僕は立体模型を製作したり、原寸大のパーツの図面を書き穴の位置まで指定しました。
嫌がる職人さんが断れないようにすることで、仕事をしてもらっています。
また図面や立体模型を作ることで自分の知識も随分向上できました。
この頃は親父が付き合っている職人に仕事を依頼していたのですが、新しい事をやるには自分に年齢が近い職人が良いだろうと自分で職人もセレクトしました。
その後、それが若手職人集団アートマンジャパンを設立するきっかけにもなりました。
http://artman.tv/

今でも変わらないのは伝統を守ろうって意識は全くない。
変わりゆく現代に伝統をどう変化させて、次世代に残していくかばかりを考えてきました。
そして仏壇はなぜ必要なのかも、常に向き合っています。

仏壇って日本にしかありません。
先祖崇拝って考えがベースだと僕は思っています。
我々が生きているのは先祖のおかげであり、亡くなられた先祖は我々の守り神になってくれている。
そんな先祖が我々と一緒に暮らす場所として最上級の場所を用意しておく。
それが豪華な仏壇が生まれたきっかけだと僕は考えています。
手を合わし祖先と会話をする場所が仏壇であるのならば、中に入ることで守り神と一体化できるカンタカは僕の中で最上級の場所だと考えています。
ちなみにカンタカとはお釈迦さまが出家する時に乗っていた愛馬の名前です。
新たな仏縁を作るツールとしてカンタカと名付けさせてもらいました。
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