御駄物な話

伝統的な技法を駆使して天上天下唯我独特なデザインを生み出す駄な物づくり哲学

「ポップカルチャー仏壇」

 最近、にわかに僕が作った過去の作品が注目されて久しぶりに取材をちゃんと受けた。
その主役がロボットのような形の仏壇です。
数年前に週刊ポストにこの仏壇が掲載された時に記者さんがポップカルチャー仏壇として紹介。
それ以来、その名前が定着してしまったのが、このロボット型仏壇です。

 この仏壇は古い仏像の構造をモチーフにしている。
そもそも、古い仏像には胎内に小さな仏像(胎内仏)や経文を納めるスタイルが多い。
そんなわけでお腹の部分に仏像を安置できる構造になっている。
まるで巨大ロボットのコックピットみたいです。
ロボットも操縦者がいなければオブジェにしかならない。
仏像や仏壇だって同じです。
その中に入れる物の方が大切になってきます。
ちょっと余談ですが、東日本大震災の揺れでとあるお寺の秘仏が壊れてしまい、僕の所に修復依頼がきました。
この仏像にも胎内仏や経文が入っていた形跡があったんですが、時代の流れの中で紛失してしまったようです。
修復した記念に住職の許可を得て、小さな仏像を僕が彫って秘仏の胎内に収めさせてもらっています。
それと同時に震災からの復興を願う人の名前を記帳した巻物を台座に奉納してあります。
それぞれの思いを込める。
それがロボット型仏壇のコンセプトでもありました。

 なぜ、仏壇とポップカルチャーを融合させるのか?って思いますよね。
実は製作にあたって常に意識している戦略があります。
仏壇の技術を他産業へ転用したいってことです。
当然ですが、このロボット型の仏壇は玩具産業を意識して作っています。
実は8年くらい前に作ったこの製品が人をつなげていってくれて、「ウルトラ木魚」や「漆塗りのウルトラマン」などに展開していっているのです。
デザインモチーフにかなり影響を受けたベア@ブリックを作っているメディコムトイさんと現在一緒に仕事をしているようになるなんて当初は考えられなかった事です。
きっと製作当初は僕の道楽だと殆どの人は思っていたはずです。
道を切り開くのに大切な事は自分の感性を信じる事だと思います。
誰も歩んでない道を進む時は多くの人は反対するし、もちろん多くの失敗もする。
でも何があっても自分の責任って覚悟があるから進めるよね。
逆に覚悟のない人は進んじゃダメだ。

 8年くらい前にやってきた事が今頃注目されるって事は、やっぱり何をやるにも10年辛抱しなきゃいけないなって思う、今日この頃です。
そして、いつかロボット型仏壇が自力で歩いてきて強制的に拝ませる機能を取り付けたいと思う、今日この頃です。
ロボット仏壇
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