御駄物な話

伝統的な技法を駆使して天上天下唯我独特なデザインを生み出す駄な物づくり哲学

「テレビ型仏壇・テトセ」

 仏壇って何のためにあるんだろう?
根本の理由に向き合わなければ仏壇デザインをやる必要がないと僕は思っています。
デザインってただ形をお洒落にするだけにあるわけではない。
なぜ、その形にするのかって意味付けこそが大事である。
コンセプトやストーリーがあってデザインは生まれる。
そして、完成した物がデザインを通じて消費者に語りかけるのです。

 仏壇の前で人は見えない何かと語らう。
こんな日本の美しい光景を仏壇は作ります。
通知表を学校から貰うとお仏壇にお供えします。
果物やお菓子を一度仏壇に供えてから、「お下がり」として家族で食します。
仏壇は目に見えないが、確かに存在した祖先を繋いだり、仏に感謝をしたりするためには無くてはならない物であるはずです。
そこで僕は「仏壇とは先祖や仏様と交信をする箱である」と言う定義を作りました。
そして出来上がったのがテレビ型仏壇です。

 実は10年前にこの仏壇を作るにあたって、あの世とこの世をつなげる箱である仏壇を使ったミステリー小説も製作しています。
その小説のタイトルが「テトセ」だったこともあり、商品名もテトセにしました。
その小説もとあるコンクールに送った所、最終選考の一歩手前までいきましたが、そこ止まり。
完全にお蔵入りになりました。
その後、この小説がきっかけで「あの世の歩き方」ってイラスト本を出版することになりました。
話が脱線しましたが、この仏壇は小説を書くことができるくらいのコンセプトを持ったものです。

 このデザインのフォルムは1950年時代のアメリカのデザイン「ミッドセンチュリー」を意識しています。
あえてテレビをレトロなデザインにすることでモダンさを出しています。
アンテナを付ける事であの世からの電波をキャッチするというコンセプトをビジュアルで表現しています。
仏壇内部はかぐや姫のお話をモチーフに彫刻を製作しています。
かぐや姫を月の使者が迎えに来るシーンってあの世からの美しい迎えを僕の中で連想させました。
なので仏壇の彫刻にはぴったりだと僕は思って使いました。

 年末年始、仏壇に向き合う時間をぜひ作ってください。
仏壇に手を合わせて、どうぞ語らってください。
一年間の報告、そして新しい一年の抱負。
そんな会話を先祖も仏様も楽しみにしていますから。
080828_0825~01
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